向日葵のある風景




お願い吠えないでね
あの人が通り過ぎるまで
私はいつも遠くから見ているだけ
彼は深々と帽子を被り
ポケットに両手を突っ込み
少しだけクール
胸に秘めたこの想い
伝えたいけど
勇気が持てない
花束を用意したけど
きっと渡せない
勇気をだしなよ、と愛犬が尾をふる
お願い吠えないでね
まだまだ言えない
私は麦藁帽子を今日も深く被るだけ


                
by 文勝さん





君に気づいたのは
新緑がきらめく頃

君はいつも待っていた
頬を上気させ
ちっちゃな犬と話しながら
とっても楽しそうに

バスから若い男の人が降りてくると
君はスキップで駆け寄り
腕に手を絡ませた

僕はその後ろ姿を
何度見送っただろう
幸せに包まれている光景を


向日葵の海の向こうで
今日も君は待っている
大きな麦藁帽子をかぶって

僕はポケットに手を入れ
すまして口笛なんか吹いたりするけど
調子は外れてばかり
このドキドキがいけないんだ

君は初めて振り向くと
ふふふと笑った

「わたしのこと 時々見てたでしょ
知ってたわ
わたしの家に来ない?
お兄ちゃんのピラフ
とっても美味しいの」

今日から僕も幸せの絵の中に住む



by atsuko






 















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